Text

□しあわせ
1ページ/8ページ

「樹っちゃん。」
「ん?なーに、サエ。」
「おやすみー。」
ああ、幸せだ。




あたたかい陽射しにまどろむ土曜日の午後。
よく日の当たるベットの中で。
俺達は毛布にくるまっていた。

俺の家は共働きで、よく家を空ける。
そのたびに、近所の食堂、つまり樹っちゃんの家に預けられた。
両親の帰宅が夜遅くなるときなんかは、そのまま泊めてもらったりもした。
俺が中学に上がってからは、姉さんが大学に行ったこともあって、夕飯を食べに行ったついでで泊めさせてもらうのも、既に珍しいことでもない。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ