三国志書物1

□春夢心地
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次の日



「ふぇ・・・くしゅっん」
「あーなんで起こさなかったんだ馬鹿が!」
見事に風邪を引いた張遼は 夏候惇に看病してもらっているらしい 寝台に横になったまま 夏候惇が剥いてくれた林檎を
口元まで運んでもらい もぐもぐと咀嚼している その表情は 風邪を引いているはずなのに どこか嬉しそうな顔をしていた
ごくんと 飲み込んで 言葉を発する
「じゃあ今夜は暖めてくだされ 今夜も寒いようなので 」
「ばっ…!お前今日も泊まる気かおい?!」
自分で剥いた林檎を食べようとしていた夏候惇は、びっくりして ポロリと林檎を口から落としてしまった
「駄目なのか・・・?」
寂しそうに言う張遼
「う…」
そんな張遼の表情に弱い夏候惇
「か、風邪うつるだろー!」
「大丈夫大丈夫」
「なにがじゃー!!!!!」
黒髪からちらりと覗く耳は紅く染まっている
「寒いんだからいいではないですか?元はといえばこうなったのも貴方のせいなのですよ?」
それを言われると非は自分にあると確信している夏候惇は 何もいえない
「よ、余計な事する気だろー!」
「しませんよ(風邪治るまでは)」
にっこりと笑う張遼 最近ではそんな表情も少しずつではあるが出すようようになってきたのが夏候惇にとっては少し嬉しい
「ううー」
「ね?いいでしょう?病人のお願いですよw」
「うー」
「ねー」
「あー」
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