FIAMMA

□願い星は夜空に散りゆく
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廃墟に突如鳴り響いた電子音。
髑髏は、音の発信源を手に取った。
それは、彼女の携帯電話。
開いてみれば、誰のケータイだろうか、見知らぬ番号からの着信だった。
しかし気にすることなく、髑髏の指は通信ボタンを押す。

「もしもし」

鈴の声音に返ってきたのは、挨拶でも通話相手の確認でもなかった。

「雲雀だけど、六道出して」
「ちょっと待って」

動じることなく、髑髏は瞼を閉じる。
一拍おいて開かれた眼からは、先刻の少女の気配は微塵も感じられなかった。

「雲雀君?どうしましたか?」
「一週間遅れでいいなら、クリスマスプレゼントをあげるよ。欲しいなら31日の夕方に応接室においで」
「18時くらいでよろしいですか?」
「別にいいよ。・・・まぁ、僕は昼から仕事無いんだけどね」
「はい。じゃあ、お昼丁度にお伺いしますね」
「うん、待ってる」

それだけ言って、電話は切れた。

12月24日、クリスマスイブの事だった。




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