FIAMMA

□Coin toss
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イタイ・・・・・・イタイ・・・・・・

拳で、鞭で、酷く打たれた体が痛い。


イタイ・・・・・・・・・

封じられた右目が痛い。
人間道が発動するのとは違う、他人が眼球の奥に触れてくる気持ち悪さが、纏いついて離れない・・・。



イタイ・・・イタイ・・・・・・サムイ・・・・・・

生ぬるい液体の中で段々と冷えていく身体に、心臓が働きを怠っているのだと知った。


「シンパクスウガ、オチテイルゾ」
「ドウセ、イズレキョッケイニショサレルミダ」
「イマシンデモ、カワリハシマイ」

もう、音も遠い。
このまま僕は死ぬのだろうか。


あぁ、イタイ・・・・・・。



イタイ・・・・・・イタイ・・・・・・

・・・・・・・・・


アイタイ・・・・・・



逢い、たい?
誰に?


・・・       に・・・逢いたい・・・・・・


聞こえる、もう一人の僕の声。
イメージが、浮かぶ。

ねえ、どうして?
どうして彼の姿が浮かぶんですか?


・・・  だから・・・・・・


そう、か・・・。
僕は、彼が・・・。



「オイ・・・シンパクスウガ・・・」
「モドッタカ」
「シブトイオトコダ」
「ココデシンデオケバ、ラクダッタモノヲ」



死ぬものか。
気づいてしまったこの気持ち。
伝えるまでは、死ぬものか。

会いに行こう。

待っていて、すぐに行くから。
僕の可愛い黒衣の小鳥。




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