ミステリアスパニック!

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【電脳世界視点】








「ここが、この電車のメインシステムの電脳…。…あっ、あれが車掌さんのナビかな?」


私が辺りを見回すと、お馴染みの電脳世界の床や物体、そして車掌さんらしきナビと、ロックマンを発見。早速駆け寄っていく。



「ロックマン!」

「えっ、イヴちゃん!? な、ななんで電脳世界に!?」

「えへ、来ちゃったー」

「いやいやいや!!来ちゃったじゃないよ!」



そして電脳世界の空に現れた一つの画面。そこには必死な表情の熱斗が。




<ロックマン! ……ってイヴちゃん!?なんで電脳世界に!?>



「なんかね、プラグインする穴をじーっと見てたら入れちゃうの」

(熱斗とロックマンってほんとに息ぴったりだね。反応が一緒だー)



<ど、どどどどどーなって…!!?>




「熱斗くん、その話はあとにして今はこの電車を止めなきゃ!」


ロックマンの言葉に渋りながらも頷いて、熱斗はバトルチップを転送する。

いっぽう、車掌さんナビのほうは。



「おれの電車はぁ〜〜〜、せかぁいいちぃぃぃぃぃぃ〜!!!」







「……な、何言ってるの…?」

「ダークチップにやられて暴走してるんだよ」



完全にバグってしまっている車掌さんナビ。どうやらダークチップなるものが原因らしい。
暴走するナビはイレギュラーと良く似ている。早くやっつけないと、電車に乗る熱斗の身が危ない。



と、なれば。

 



 


私は黒いジャケットの中から、一丁の黒光りする銃を取り出した。




<バトルチップ、スプレッドガ……って、イヴちゃん何それ?>

「え? 銃だよ。」




私の手にあるのは、接近戦用のハンドガン。スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(私は短くスチェッキン・ピストルと呼ぶけど)って名前がついてるんだけどだいぶマニアックだからロックマンには言わなかった。
あっちの世界でも、エックス達と共にこの銃でばんばんイレギュラーを撃って戦っていたことを思い出し、一瞬なんだか懐かしい気分になった。




<じゅ、銃!?本物!?>

「うん、そうだよ。見ててねー熱斗にロックマン!」



ようし。ついにこっちの世界でも私の銃の腕前を見せる時が来たようだ!えっへん!
前居た世界ではイレギュラーハンターをつとめてたぐらいだから、銃の腕には自信が有るもんね。

私は動揺するロックマンににっこり笑顔で大丈夫と言ってから、少し離れた場所から狂ったようにハンドルを切る車掌さんナビに銃口を向けた。
相手は暴走運転に熱中してるみたいで、私に狙われているのには全く気づいていないらしい。




「……よし。」




チャッ。
人差し指を引き金にかけて、片目をつむって精神を研ぎ澄ませる。だって外しちゃったらかっこわるいもん。一発であててみせる。


いざ、その引き金を引こうとした瞬間。






シュン!


(……………えっ?)



「ぎゃぁあああああ!!」



私やロックマンの背後から、誰かが放ったレーザー弾が飛んできて。
それはもう少し遠くに居た車掌さんナビに当たり、見事に車掌さんナビはデリートされてしまったのだった。






「……サ、サーチマン!」



ロックマンと同じように後ろを振り向くと、そこには緑色の迷彩柄のネットナビが居た。サーチマンとかいうナビはライフルを構えているから、きっと車掌さんナビをやっつけたのはサーチマンなんだろう。


(横取り、されちゃった。…でもあのライフルすごーく気になる)



そう思い、てててっとそのサーチマンとかいう緑色のナビに近づいていく途中に宙の画面の熱斗が声をかけてきた。





<イヴちゃん、とりあえずプラグアウトしろって、コイツが…>


コイツ?

「熱斗、コイツ、って?」

<コイツだよ、この右にいる軍服着た奴。早くプラグアウトしろってうるさいんだ>



画面のはしにちらっと見えたのは、深いグリーンの軍服。どうやら熱斗の隣に誰かいるみたい。



「イヴちゃん、とりあえずプラグアウトしたら?ぼ、僕も…電脳世界に人間が居るって、なんていうか不思議な気分だし、ね?」

「うーん…分かった。ロックマンが言うんならそうするー」




そうして私は目をゆっくり閉じ、心の中でプラグアウト!と念じた。



しゅん。



というおなじみの音が聞こえ、
次の瞬間に目を開けると、そこは現実世界の車掌室の中だった。





 
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