麻帆良な日常

□ACT.7
1ページ/10ページ

三日目、今日は完全自由行動日。大阪やら奈良やら好きな場所に行ける日だ。

アスナたちの班は、特に行き先が決まってないみたいでその辺にブラブラしていた。

「計画性のない修学旅行だな……」

「まあ、本人たちが楽しければいいんじゃないですか」

そんな会話をしながらついていく。もちろん気配を消してバレないように。
アスナたちは近くのゲーセンに入って行った。……京都に来てまでゲーセンかよ。

魔法使いのゲームに図書館組が夢中になっている最中、クソガキとアスナがゲーセンから出ていった。どこ行くんだ?

「おい、刹那」

一人離れた場所にいる刹那に話しかける。

「飛鳥さん」

「今はシロだ。シロって呼べ」

「はい。それで、どうしたんですか?」

「アスナはどこに向かったんだ?」

「本山です」

本山、詠春のところか。なるほどな、親書を届けに行く訳だ。
となるとオレも向かった方がいいかも知れねーな。一応あのクソガキのサポートが仕事な訳だし、このか嬢の護衛は刹那に任せればいいだろ。

「オレも二人を追って本山に行く。このか嬢は任せるぞ、刹那」

「はい」

刹那から離れ、夕詠のいる場所に戻る。時々夕映ちゃんに向けてデジカメのシャッターをきっているが、気にしないことにしよう。俊敏過ぎて常人にはわからないし。

「夕詠、オレ本山に行くわ」

「ネギ先生たちの後を追うんですね?」

「ああ。で、だ。このか嬢は頼むな」

護衛には刹那がいるけど、多いに越したことはないし、夕詠は頼れるヤツだからな。

「わかりました。お気をつけて」

「お前もな」

そしてオレはゲーセンを飛び出した。





電車に乗って、関西呪術協会総本山前の神社へ向かう。アスナたちは一本早い電車で行ってしまったが、ガキの頃何度も通った場所だし、迷うことはない。行けば追いつくはずだ。

「ん?」

千本鳥居の前で、少女が一人立ち往生していた。あれは……宮崎、か?

「おい」

「ひあぁっ」

なんか妙な悲鳴あげられた。ちょっとショック。

「ああああの、わわ私お金も持ってませんっ」

「いや別にカツアゲしたい訳じゃねーから。落ち着けよ宮崎」

「あ、れ……私の名前……?」

しまった! つい口が滑って……。

宮崎は不審者を見る目でオレを睨んでいる。どーしよ、バラすか……?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ