麻帆良な日常

□ACT.6
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翌朝。小鳥のさえずりを目覚まし代わりにオレは起床した。窮屈な体制で寝ていたためか身体中がぎしぎし音を立てていて、その身体をほぐすために思いきり伸びをした。そして――。

反転する景色、微かに感じる風。近づく地面。
あ、オレ落ちてるな。……って!?

「げふっ!!」

顔面から地面に激突した。かなり痛い……。

「何やってるんですか、飛鳥」

「マジいてぇ……」

「だから木の上で寝るのはやめろって言ったのに……」

結局宿が見つからず、近くの林で野宿することになったオレは、風通しがいいって理由で木の上で寝ていた。くそぅ、まさか落ちるとは思わなかったぜ。

「コンビニで食べるもの買って来ました。あと、飛鳥の分のサングラスも」

「おー、サンキュ」

袋を漁り、中からお握りやパンを取り出す夕詠。オレは受け取った分をもそもそと食べ始めた。

流れる沈黙、はっきり言って気まずい……。

「あの、飛鳥」

夕詠のほうから話しかけてくれた。良かった、これ以上沈黙が続いてたらオレどーかしちまってたよ。

「今日は班別で奈良を回るみたいですが、どうします?」

「そーだな、やっぱバレないように近くにいたほうがいいだろうな」

昨日はアスナにバレちまったし、迂濶に近づく訳にはいかない。昨日の今日で関西呪術協会のヤツが襲ってくるとは考えにくいけど、護衛対象の近くにいたほうが万が一の場合でも守りやすいし。

「じゃあ決まりですね。今日は夕映たちの後を追いましょう」

「ああ。ところで夕詠」

「何ですか?」

なんとなく気になっていたことを聞いてみることにした。

「その手に持ってる使い捨てカメラは何だ?」

「これですか? 販売用の写真を撮るんですよ。これで報道部の部費を稼ぐんです」

それって盗撮じゃないのか?
くれぐれも警察に捕まらないようにしてくれよ。

「じゃあ、そっちのデジカメは? それも同じか?」

オレは続けて夕詠の首に下がっているデジカメを指さして言う。

「これは違います」

「ほほう、じゃあ何だ?」

「これは……」

ん? ちょっと待った。このパターンはもしかして、もしかすると……。

「夕映の姿を収めるためのものです」

「ッのシスコンがあぁぁあ!!」

って、またこのパターンかよっ!
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