She falls in love!

□14
1ページ/1ページ



真田のタオルが、風子の家で一緒に風を受けている。


翌朝、風子はくよくよしても仕方がないと考え、気持ちを切り替えた。





朝練のない今日、真田は普段より少し遅く登校していた。

昨日から引っかかるものは何だ


そして、柳との約束を思い出していた。



中等部の正門に近付けば、普段とは違う登校風景に騒がしいものだ、と呟いた。


「風子、おはよう」

風子とさして変わらない女子が風子に抱き着いた。


真田は数メートル先のやり取りを、ぼんやりと見ていた。



普段はあぁなのか
俺の前では、おろおろしているのだがな


と、自分より少し低いくらいの男子が風子の頭に触れた。


「相変わらず、ちっせーの」
「うっさいな!お、は、よ、う!」


くつくつ笑う男子に風子は、舌を出している。




む…
何なのだ
あ奴は!


真田はツカツカと二人の元へと向かった。




「良稚…風子、お早う」



風子は、驚いた。

昨日の今日で、真田に朝から会うとは思っていなかった。
更に、声をかけてくれるなんて、と心の中で叫んだ。



「さ、真田くん、おはよっ!」

嬉しそうに自分を見上げる風子に真田は、気分がスッとした。

そして、口を開いた。



「昼、お前のクラスに行こう、柳に用もあるからな」

真田はそう言うと、満足そうに先に昇降口へ向かった。



お昼、お昼?
一緒…!

「何で、真田?」

「大崎くんよ、私先に行くねっ!」


風子はポカンと呆けている大崎を放って、自分のクラスへと急いだ。




「やーなーぎーくんっ!」

ガランと大きな音をたて開け放った扉をそのままに、風子は既に読書体勢の柳の机に走った。



「弦一郎か?流石に何があったが分からない」

ぱたんと閉じた夏目漱石を仕舞うと、風子は指定席に着いた。



「真田くんがお昼来るの!」


「それは良かった。それならば、二人でか」


「柳くんに用があるってさ」

「そうだったな」



ほぅ
何があったか、分からんが…
弦一郎が動くとは珍しい

風子に興味、好意を示したというところか


嬉しそうに笑う風子を見ていると、大崎が唸って柳の元に来た。


「何だ?」

「いや、さっきな…真田がよ、風子と昼を一緒にってさ」

繋がりが分かんねぇ、と唸る大崎に柳は様子を把握した。




風子を知りたい、と思ったのか


柳は唸る大崎と破顔した風子を見て、昼を楽しむことにした。









彼女を知る







<<<<

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ