She falls in love!

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「弦一郎、どうした」
「そうですよ、変ですよ」


柳に便乗した赤也が尋ねた。

反応を示さない真田に、赤也が柳生を呼んだ。


「そのうち分かりますよ」
クスリと笑う様に、紳士なんて嘘だと赤也は思った。


「珍しいのぅ」
仁王は、くしゃくしゃに仕舞われたジャージを始めてみた。

二年目の付き合いじゃが、いつも綺麗に畳んでおるのに


隣でくしゃくしゃに仕舞う赤也と比べた。

普段ならここで真田の制裁が加えられるのだが。

当の真田は、ぽかりと呆けている。



そこに慌てた様子のジャッカルが、戻ってきた。

「おい、真田!女子が待ってるぞ!」

真田はビクリと肩を揺らした。



「何だよぃ!女子って?!」

「ジャッカル先輩、冗談はやめて下さいよ」

「冗談ではない、だろうジャッカル」

柳が、真田の荷物を手早く仕舞う。
真田は、ありがとうと言いながらも動こうとしない。


「早く行け、待たせるな」



真田は、違うのだと弁解をするが、柳と柳生は聞く耳を持たず。

他の面々は、柳生を取り囲む。



柳によって開かれた扉の向こうには、良稚風子が恥ずかしそうに俯いていた。


「ごめんね、帰れば良かったかな」

固まったまま動かない真田に風子は、俯いたまま謝った。



そういう問題ではないのだ!
しかし、男が一度口にしたことを破るなど許せぬこと!

しかしっ!


パニック状態の真田に変わり、柳が風子の肩を叩いた。


「気にするな。途中まで送ってもらえ」

柳は真田に分かったなと念押しした。

逆らえない真田は、是非にと答えるほかなかった。



夕暮れをの中、親子ほどに背丈が違う二人は、人二人分の空間を空けていた。



どうしたものか
真田は落ち着かなかった。
やたらと周りが気になり、鍛練不足かと悩み始めた。



風子は、真田の歩幅に着いていこうといつもより早足になる。

真田は風子の様子に気付かず、何処まで送れば良いのかと首を捻った。


「済まないのだが、家は何処だ」

風子を見れば、微かに頬が赤く息が切れていた。


「真田くんは?」

尋ね返された真田は、もうすぐぶつかる公園を右に向かうと指差した。


風子は、私は左ですと答えた。


ならば、公園までで良いのか
しかし、どのように誤解を解くべきか…
蓮二に相談すべきか
もしくは幸村か…


真田の頭は悲鳴を上げようとしていた。



着いた公園の前で、真田はお役御免とばかりに気をつけろとだけ言い、背を向けた。



後ろで風子が小さく手を振っていることなぞ、気付かずに。





(む、弦一郎たるんどるぞ!!)(御祖父様、申し訳ありません)(弦一郎、蓮二くんから電話よ)(はい)(俺に相談する確率82%、精市に相談する確率71%だな)(む…)





混乱







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