設定・外伝集

□REQUIEM―力の先に―
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〜ver 時月〜

――序章 破壊と創造


かつてこの世を気まぐれに創った神――ルシフェル。

その神の僕として造られ、召し抱えられたのが、我ら〃護神将〃である。
この世界と同じく自分らも気まぐれの内に造られ、置かれた道具にしか過ぎないのだろう。




気に入らなければ壊される。



不満があれば、世界は無と帰し、そして再度創り直されるのだ。



百度壊され、百一度創り直されたこの世界。


十重二十重(とえはたえ)と繰り返される創造と破壊。


営まれていた〃生〃の循環は、次の瞬間には灰になっている事があった。


生命は白砂の山と化す。


それは未来の自分達の姿なのだろうか。



我らへの牽制の為だけに、神は命(みこと)を道具と扱う。



恐怖と畏れと嗔恚は、いつしかくすぶりの中に棘となり残り、諦念と云う感情に留(どど)められた。



全ての神はこうなのだろうか。


はたまたこれが〃神〃の顕現なのだろうか。


造られた自分達には

知る事も

知る必要も

知る理由も

知り方も


ありはしない。




いつしかこの神を、自分達護神将は〃破創主〃と畏れ呼ぶ様になった。






いつかこの世界の様に自分達も造り直されるのだろうか。


それとも砂にされるのだろうか。



沸き立つ危惧はいつまでも付き纏うそれを、畏れる主敬への忠誠として、我らは錯覚し続けている。





それが自らを欺瞞(ぎまん)する



〃偽り〃とも知らずに……






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