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□向日葵の約束
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「セー?」




ぼーっと空を見上げてたら、後ろから声をかけられた。
それがクーの声だとすぐに分かって、私は振り向く。



「クー…」



「ったく、こんな所に居たのかよ。どこ探しても居ないから、心配した」




「ごめんなさい……」




「大丈夫だって。もう見つかったし」




そう言って、クーは私を後ろから抱きしめる。
私はクーの腕に自分の腕を絡めて、ポソリと呟いた。



「クー……好きよ」



「どうした? セー、改まって」




「ううん、何でもないの」




「ふーん…………」




セーがおかしい。
曖昧な返事をしたが、クーはそれに気づいていた。
そして思い出した。




「セー」




「ん? 何?」



「ちょっと着いてきてよ」




「…………?」





―――――――――
―――――……
―――……





着いた場所に、思わず目を疑った。
そこには、一面に広がる向日葵。
太陽に向かって伸び続け、太陽の光を十分に浴びて育っている。
朝露が向日葵の葉を伝い、地面へと落ちていく。




「綺麗………」




唯一口から出た言葉は、それだった。
目の前がキラキラと輝いている。
夢か幻かと思ってしまうほど。
そのセーの様子にクーは微笑んで、それからセーの肩を抱き寄せた。




「セー…」



「クー…」



「何があったのかは知らないけど、オレにできることなら、何でも相談しろよ?」




「……………」




「……セー?」
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