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□雨霧の内より
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「ようやく追い詰めることが出来ましたね」

平安京の羅生門。それをくぐり、一人の男がほくそ笑んだ。銀糸(ぎんし)のような髪が風に煽られる。顔の両脇に垂れる髪の一方はその女の如き顔を流れ、一方は外に煽られる。

「わざわざ大陸を渡ってきたんですから…逃がしませんよ」

男はそんな呟きを残し、平安京の闇に紛れていった。


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