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□神と道化師
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とある甘味処。
そこには金の髪を持つ逞しい体の男が一人。
この男、実は京を守護する黄龍である。
そしてこの男、只今一文無し。
そして目の前の長椅子には旨そうに品の良い皿に盛られたみたらし団子。
「………旨そうだな。」
思わず涎が垂れそうになる。
そしてどうやらこの団子の主は近くにはいない。
…と、なれば。
「いっただきまーす!!」
にっかりと歯をむき出し嬉しそうな笑顔で団子を取る。
しかしそれは機械の冷たい手により遮られた。
「………。」
機械の手をもつ銀髪の青年は、口許に笑みを浮かべたままギリギリと黄龍の手を掴んだまま離さない。
「…んだよ、てめぇ。」
「………。」
「なんとか言いやがれってんだ!!俺は早くこの団子様をな…。」
「…それ。」
「あ?」
「それ、僕のなんですけど。触らないで貰えますか。」
“触らないで”
その言葉に些かカチンとくる。
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