小説

□『猫に桃缶』 
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 『偶然とは必然でもある』


 どこかの哲学者がそんな事を言っていた気がする。
 哲学になんて興味はこれっぽっちもないけれど。
 担任が変に変わった事に詳しいから覚えていたのだろう。

 そう、この事もその担任が原因だ。
 いや、お陰とでもいっておこうか、この場合。




「――はね、蒲柳の質って言われるぐらいに」



 “蒲柳の質”…つまり、それは――。



「身体が弱かったんだ」





『猫に桃缶』
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