他作品

□『ヴァリアーの非日常』
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自覚が無いのかこのオカマ…、もといルッスーリアは小指を立てて小走りで寄ってくる。

勘弁してほしいよ、ほんと。


「もうっ、あんなボスにマーモンは渡さないんだから!」

「むぎゃ」



そういうとベルからマーモンを奪い取る。

頬を摺り寄せてくるルッスーリアだが、取られた方のベルはもちろん気に入らず、武器であるナイフを取り出す。


「うっわ、何してくれてんの、この変態」



とっとと返せよ、と切りかかる。


返すも何も、僕は物じゃないんだけど?

ってか、いい加減離してくれないかな、やるなら別の所でやって、僕を巻き込まないでよ。



ルッスーリアは次々と切りかかってくるベルからマーモンを抱いたまま廊下を逃げる。
後ろからスクアーロが何か叫んでるが、2人の耳には全く届いていないようだ。



今度はボスにウイスキーにビンごと投げられるかもね。




ベルを振り切ってしばらくしても走り続けるルッスーリアに話しかける。



「ねぇ、ルッスーリア。そろそろ離してよ」
「嫌よ!このままマーモンと愛の逃避行をするんだから!!」



だから僕を巻き込むな


付き合ってられるかと思い、ルッスーリアに腕から抜け出そうとした時。
壁から何かが飛び出してきた。
いや、正しくは壁を突き破って。


キュンキュンと機械音を響かせているそれは、痺れを切らしたザンザスが出した最終手段であろうゴーラ。



過去の思い出がよみがえるのか、ルッスーリアの顔色はどんどん悪くなっていく。
ゴーラはそんなルッスーリアに静かに銃口を向けた。



「ああ、もうっ。分かったわよ!渡せばいいんでしょ」


今まで死んでも離すものかと抱きしめていたマーモンを、あっさりと引き渡す。


やっと開放されたと、マーモンは大人しくゴーラの手の上に乗った。





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