他作品
□『ヴァリアーの非日常』
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「はぁ、平穏な日って言うのは任務よりめんどくさいね…」
ベランダの手摺に立ち空を見上げる。
ゆっくりと流れる雲を眺め、今日もそろそろ始まるで有ろう騒ぎを待つ。
「ししっ、おはよマーモン」
「もう昼だよ、また夜遊びかい?」
「秘密〜、だってオレ王子だもん」
ノックもせずに入って来たベルに淡々と答える。
しかし問いに対する返事は、いつもの答えになっていない答え。
まぁ、もう慣れたけどね。
「で、一体何の用だい?」
聞くだけ無駄と思いながらも、金の話なら聞き逃す訳にはいかないと一応聞いてみる。
ベルが答えようと口を開く…が。
「う゛おぉぉい!遅ぇぞぉ!!」
勢い良くドアを開けて入って来たのはスクアーロ。
髪と服が濡れているのは、またザンザスにウイスキーでも投げられたからだろう。
「短気だねー、ボスは。もっとマーモンと2人っきりで居たかったのに」
「テメェの所為で俺がとばっちり受けたじゃねぇか!」
マーモンを抱き上げ言うベルに、至極不機嫌そうにスクアーロが怒鳴る。
当のマーモンは慣れたのか、小さな溜め息を吐き、ベルの腕へと収まっている。
毎日こんな事の繰り返しなのだ。
そろそろ行かないと今度はルッスーリアがやってくる頃だ。
そうなるとまた騒がしくなる。
それだけは勘弁だと、2人に行く様に促そうとした時、当たって欲しくない予想が当たった。
開け放たれたままの部屋から、
「ちょっとぉー、ボスが私のことオカマって言うのよー」
あぁ、やっぱり・・・
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