朝焼けの館

□月下慕情
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そして、その日。
急いで帰宅した俺は、手早く身仕度を整えて、忍足との待ち合わせ場所に急いだ。
俺としたことが、15分も早く着いちまって、本屋をぶらぶらと見て回る。
欲しい雑誌があったが、そんなもんは後回しだ。
時間ばっかり気になってしょうがねぇ。
そろそろいいか、と待ち合わせ場所に行くと、2分もせずに見慣れた影が見えた。
「なんや跡部、いつから待っとんたん?周りの注目引きまくりやで」
「…今来たところだ」
15分も早く来てたなんて、死んでも言ってやらねぇ。
「久しぶりやな」
「ああ」

たった三日。
会えない距離にいると、どうしようもなく想いが募るもんなんだな。
俺をこんな気持ちにさせるのは忍足、お前だけだぜ?

「ほな、行こか」
その手を気持ちだけ取って、俺たちは歩きだした。


END
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