小説(鋼)

□泣き出した女と虚無感(R18)
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「あッ…ふ」
浴槽の中で、湯が泡を立てる音と、少女の濡れた声が重なる。
少年はかぶさる様に彼女を抱き、胸をなぞっていた。最早彼は、自らの指先で彼女が快感を漏らす部位を覚えきっていた。
「ん…ッ、リン様…、あぁ…!」
少年――リンは、少女――ランファンの強ばった乳房の中心を指先でぎゅっと挟んだ。
すぐにそこは硬化した。リンはそっと手を離し、すぐにそこに唇を寄せた。柔らかい唇に、すっかり硬くなった乳首が重なる。ただ触れるだけのくちづけから、噛み付く様な舐め回しへと変化させて行く。
浴槽の波音、くちゅくちゅと乳首を舌でくすぐる下品な音、ランファンの艶めいた声が狭い浴室の中で混ざり合い、小さなこだまを生み出していた。
――ここでは、狭すぎる。
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