御礼企画
□いい夢を。
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――朝だ。
躾として埋め込まれた体内時計が、私を現に引き戻す。
冷たい水で顔を洗い、髪を纏め上げ、着慣れた黒装束に着替え、久し振りのはっきりした夢だと思いながら、私は昔、誰かが言っていた迷信を思い出していた。
『自分を想ってくれている人が、夢に出て来る』
私は、すぐに首を横に振り、少し熱くなった顔に面を被せた。
――いけない。
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