小説(鋼)

□その気配
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その男は、宮廷中の女官の目を、磁石の様に引き寄せていた。
金色の髪の毛と、同じ色の瞳。黒い髪と黒い瞳を持つ人間しか見た事の無い彼女らにとってそれは当然の事なのだが、その男が皇帝の異母妹を伴って伴って歩いている事が、一層その視線の濃度を強めていた。
異国の男と皇帝の異母妹。その二人は異国の言葉を交わしながら、宮廷の奥へと足を運んで行った。
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