小説(鋼)

□milk tea
1ページ/2ページ

「アメストリスの食べ物は美味いな、ランファン!」
「はい」
こいつらこんなに頼みやがって、と少し苛ついた表情をしたホテルマンが部屋に運んで来たルームサービスの皿を全て空にし、俺は腹をさすった。
隣ではランファンが、もう食べられない、という顔をしている。
この華奢な体でも、幼い頃から臣下として鍛えられている為か彼女の胃は意外と頑丈であり、予想以上の許容量がある。
少し前まで砂漠をひたすら横切る生活が続いていた為、俺たちの食欲には尚更拍車が掛かった。
「何か、飲み物を頼んでもいいか?」
「はい」
俺は、ルームサービスのメニューの飲み物の欄に目をやった。
宮殿ではいつもシン国産の茶を飲んでいた俺は、それ以外を殆ど飲んだ事が無い。
幼い頃から茶と言えば、シン国の物を飲んだ。
しかしアメストリスには、シン国の茶は殆ど出回っていない。
俺は、どういう物か少し気になってもいたので、アメストリスの茶を注文した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ