小説(テニプリ)

□最強の彼。
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一歩足を踏み入れると、そこは闇だった。
俺は、不二の手をぎゅっと握った。
それから5秒も経たないうちだった。
細い音が、耳に流れ込んで来た。
「!?」
もう汗で湿った俺の手は、不二の手から滑り落ちそうだった。
心臓も、大音量を上げている。
「ぅわッ!?」
俺の足首に、ずしりと重い感覚。
俺は、ゆっくりと震える目を下げた。
顔の殆どが髪の毛の奥にある女が、如何にも恨めし気に俺を見上げている。
「頂戴…」
女が、押し潰された様な声で言った。
体温が、一気に下がった気がした。
「肉体…頂戴……」
悲鳴は、もう喉元まで来ていた。
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