小説(テニプリ)

□Stargazer
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2年前の、今頃。

もう、その頃から僕は「天才」と呼ばれていた。
――天才。
僕には、生まれ持った才能がある。
自分でもそう思っていたのも事実だ。

しかし、「天才」という言葉を纏った僕は、他の同級生の部員に、貴重品か何かに触れる様に接された。

そして気付いた時には、孤独感が胸に貼りついていて、やがて僕は、孤独感とプライドを履き違えていた。

それでも、不思議なほど対等に僕と関わったのが彼だった。
彼の笑顔を見る度に、極めて純粋な喜びが心に生まれていた。

練習が終わってから、外で語り合った事がある。
澄んだ冬の空は、まるで天鵞絨の宝石箱の様だった。
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