夢の舞台へ
□1.隠した想い
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1.隠した想い(side:Toshiya)
吾郎くん。
僕は君の事が………
「おめでとう!」
今日は君の結婚式。
野球しかみてなかった君が、結婚だなんてちょっと意外。
そう言ったら、
「うっせー」
って、君は照れたように笑った。
その笑顔は幸せそうで。
僕は胸の痛みを気付かないふりでやり過ごす。
もうこの痛みには慣れたから。
おめでとうって言った僕はちゃんと笑えてたかな?
隠してきた僕の想いは、どうかこのままで…。
末長くお幸せに、なんて言ってはみたけど、本心はそうは思ってなかった。
ああ、僕って嫌な奴だなぁ、なんて、自分が嫌になる。
そうやって押し隠してきた想いは、気づかぬうちに心に傷をつくっていたんだ―――――。