青い焔

□守りたい。
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「兄さん、勝手な行動は控えてよね!」
試験終了後、部屋に戻って早々に雪男が言った。
燐はベッドに腰掛けながら、
「なんのことだよ?」
と本気でわからないらしく、首を傾げた。
その仕草は可愛らしいのだが。
「だから、勝手に一人で飛び出して戦わないでってこと!」
雪男は少し語気を荒げた。
「だって…ああしなきゃ戦えなかった、だろ。」
何を怒っているのか、といった様子で燐は答える。
「今回は試験だったからよかったようなものの…何かあったらどうするの!」
仁王立ちで燐に向かっていた雪男が急に燐に抱きついた。
「ぅわっ?ゆ、雪男…?」
突然のことに、燐は動揺した。
「…心配かけないで。」
懇願するように、雪男は燐を強く抱きしめた。
「…ごめん。」
微かに震える雪男の声音に気づいて、燐は素直に謝り、頭を撫でた。
「…まぁ、こんなこと言っても兄さんのことだから一人で突っ走っちゃうんだろうけど。」
燐を抱きしめたまま雪男は苦笑する。
「う…わかってんなら言うなよ!」
図星を指された燐は雪男の髪を軽く引っ張った。
「痛いよ。…一応気にかけてくれるかなと思って言っただけ。」
燐の髪を梳きながら雪男は呟く。
「怪我は、すぐ治るから平気だ。」
少し自嘲気味に、燐は笑った。
「…そうだね。それでも、危ないことはしないで。」
そう言ったきり雪男は黙りこみ、燐は肩口に規則正しい吐息を感じていた。





――――――――――
後書き
なんかうまくまとめられなかった(>_<)

お読みくださりありがとうございましたm(_ _)m

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