雷の煌めき

□狂おしいほど、愛してる。
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キスしたい。
抱きあいたい。
繋がりたい。
一緒にいたい。
もっと、もっと…
ずっと、ずっと―――。

狂おしいほど、愛してる。


ああ、自分が嫌になる。
円堂が誰かと話してる、それだけでこんなにもイライラするなんて。
好きと言われて、好きと言って。
手を繋いで、キスをして、抱きあって。
それだけでも十分だと、思ってたはずなのに。
想いが通じてから、日に日に独占欲が増している。
欲張りになっちゃいけない、わかっているはずなのに。
もっと欲しい、ずっと一緒にいたい。
欲望は募るばかりだ―。



「…る、風丸?」
ひらひらと、目の前で円堂が手を振っていた。
期末試験の勉強のために、円堂の家に来ていたのだ。
「悪い、ボーッとしてた…」
苦笑してみせれば、円堂は「眠いのかー?」なんて微笑む。
「まぁ、ちょっと…」
キスしたい、抱きあいたい、繋がりたい。
心に渦巻く欲望を押し隠し、頷いた。
「昼寝する?」
自分も欠伸を一つしながら、円堂は伸びをした。
「しないよ…」
キスしたい。
欠伸する口元を凝視してしまう。
「…風丸?なんかさっきからスゲー見られてる気がすんだけど…」
視線に気づいた円堂が気のせいかなーなんて言いながら尋ねてくる。
もう我慢できない。
「…なぁ、…キス、したい…」
ねだるように円堂の方に身を乗り出す。
「え!?…珍しいな、風丸からそういうこと言うの。」
戸惑ったような円堂の声。
「…嫌か?」
嫌だと言われたら傷つくだろうことを、訊いてしまう。
「全然。嬉しいぜ。」
柔らかく笑う円堂の手が俺の頬を包む。
円堂の唇が優しく触れてくる。
どちらともなく背に腕がまわった。
「ふ…んぅ…」
くちづけは次第に深くなっていく。
それでも、もっと欲しくて、円堂の後頭部を抱きしめた。
息が苦しくなってきて、眦から涙が伝う。
それを見て離れようとする円堂を必死で抱きしめた。
このまま、くちづけをしたまま、息が止まってしまえばいいのに、なんてバカなことを考えながら、ぎゅっと目を閉じた。










このまま、円堂の腕の中で、円堂のくちづけで、死んでしまえたらいいのに。
二人で、一緒に。












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