雷の煌めき

□コマプタ
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「はーるや!ふーすけ!」
更衣室のベンチに座る二人の肩を照美は後ろから叩いた。
「なんだよ?」
振り向いた晴矢の顔は雲っている。
「…なんだ。」
それは風介も同じで。
「ちょ、二人ともテンション低いよー!?」
苦笑しながら、明るく照美は言う。
「負けたのにテンション高くなんていられるかよ…」
膨れっ面、にも見える表情で晴矢が言う。
「その通りだ。」
風介も機嫌が悪そうに頷く。
「…そうだけど。…僕は楽しかったよ。」
少し困ったような笑顔で微笑み、照美は二人の間に座る。
「…悔しい。」
晴矢が呟いた。
「うん。」
同意し、照美は晴矢の頭を撫でる。
その手を避けるように立ち上がると、扉へ一歩踏み出す。
風介もそれに倣った。
「…けど、楽しかった。」
振り返らず、晴矢は呟く。
同意するように、風介も小さく頷き、
「コマプタ…」
と呟いた。







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