花園

□ヒトハダ
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「さんぞー、寒い。」
真夜中、悟空が三蔵の布団に潜り込んだ。
だが、三蔵は目を覚まさないようだ。
悟空は三蔵に寄り添うと安心しきったような表情で眠りに堕ちた。

(…ん?暖かぁい…)
かぎなれた、煙草の匂いが鼻孔をくすぐる。
(さんぞーの、匂いだ…)
思わずすりよると、頬をつつかれた。
「ぅにゃ…」
目を開けると、三蔵が笑っていた。
朝に弱い彼の意識がはっきりしているということは、だいぶ前に起きたのだろう

「おはよ。」
頬を撫でるその人に言う。
「勝手に入るな。」
と頬を軽くつねられるが、声は優しい。
「だって寒かったんだもん。」
「お前の方が体温高いだろうが。」
そう言うと三蔵は悟空をそっと抱き締める。
「三蔵も、暖かいよ。」
悟空も、三蔵の背に腕をまわした。


冬は人肌が恋しくなる季節です。




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