花園

□Love is the best medicine.
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このところ悟空の様子が可笑しい。
それは誰の目にも明らかなのに。
三蔵は何も言わない。

久々に立ち寄った街で、珍しく三蔵が3日間も滞在すると言った。

「では、お休みなさい」八戒と悟浄が出ていった後、部屋に重い沈黙が漂った。
「じ、じゃあ俺ももう寝るね。」
おやすみ、と告げようとすると。
「悟空」
短く呼ばれる。
「な、に?」
声が上擦っているのがわかる。
そのまま動けないでいると、三蔵が近づいてきた。
いきなりの、噛みつくような口づけ。
「んっ…」
久しぶりに感じる舌の感触に身体の力が抜け、三蔵にしがみつく。
崩折れそうになる悟空の腰を三蔵は強く抱いた。


「おはよー!」
翌日、悟空はいつもの悟空だった。
悟浄と八戒は思わず、といった体で顔を見合わせた。
結局、悟空は三蔵に甘えるのが一番の薬のようだ、と。




あとがき
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