蒼水の零

□未来を遮る影と陰
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【〜2時間前〜】

ー生徒会室ー

「お前の力はまだまだ浅い。もっと力を開放出来るはずだ。」

悠哉は麗にそう言われ、少しムキになる。

「浅いってどういうことだよ。確かに力の制御は出来てないけど……」

麗も落ち着いたまま言い返す。

「そのままの意味だ。だが私はお前が弱いと言ってるわけではない。」

悠哉はすっかり気分を損ねたらしい。

「じゃあどういう意味なんだよ。」

麗も調子を変えない。

「零の力の開放には段階があるんだ。しかも2種類。」

力の段階?
そんな話シエルからも聞いちゃいないぞ。

「まずは武器の状態開放だ。これは武器の力を開放することで武器そのものの形状を変えることが出来る。例えば……お前の剣と杖のようにな。」

悠哉は、なるほどなぁ、と頷いている。

「そしてもう一つはゼロアーツそのものの開放だ。お前も技や術は使えるだろ。もう一つ上の段階になるとそれらの技の数がもっと多くなる。」

確かに俺の技や術は数えるほどしかない。

でも麗の方は沢山あった気が……

「じゃあどうやってその力を開放すればいいんだ?」

悠哉がそう麗に聞いた。

「力の開放に大切なのはゼロと心を共有することだ。」

悠哉はそれを聞いてよくわからないといったような感じだ。
「ゼロとその契約者は意志疎通という名の下にその契約が成り立っている。意志疎通が出来れば出来るほど力が爆発的に上昇するということだ。つまり……」


つまり……俺とシエルは全く意志疎通が出来ていない…ということか。

「何をさっきから二人でお喋りしてるんです?」

由衣もやっと帰りのホームルームが終わってやって来たようだ。

「あぁ、ちょっとな」

と麗が答えると、

「ちょっと……一番気になるフレーズですね。まぁいいや。さぁ、悠哉さん。早速ディアースに行きましょう。」

由衣はそう言って早くも扉に手をかけている。

「待て、由衣!!まだ心の準備が……」

悠哉は抵抗するが、
「まあまあ。善は急げってやつですよ。」

由衣はそう言って悠哉の手を引っ張り、一気に扉の中へと入っていった。





「あの二人…心配だな。」

零はそう言って椅子に座った。

「フラン……計画は順調だな…あとは彼等次第だ。」
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