蒼水の零
□災厄の訪れる世界
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俺たちは白い扉を通って火事の現場へと帰って来た……はずたが……
「火が……ない!?」
というか、建物が燃えた形跡すらない。
どういうことだ。
「おい、お前。何をボケーッとしている。早く学校へ行くぞ。」
「あ……あぁ。」
ってあれ!?
時計が全然進んでいない。
確かに俺らはあっちの世界に軽く30分以上はいたはず。
なのに、なんで……
うなっている俺を見越して由衣は言った。
「先輩!!気になることも多いでしょうがまずは学校ですよ。」
由衣はその後に、それと先ほどは助けていただいてありがとうございました、と付け加えて歩き出した。
俺らが学校についた頃にやっと予鈴のチャイムが鳴った。
「由衣、それとお前。放課後になったらすぐに生徒会室へ来い。今後の事について色々と話したい事がある。」
麗はそう手短に言って自分の教室へと向かった。
「私もそろそろ行きますね。それじゃ、また後で。」
由衣も行ってしまった。
「俺も行くか。」
悠哉はだるそうにゆっくりと歩き出した。