08/14の日記

00:48
一方通行の恋愛事情18
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side:ハイマンス・ブレダ


俺達は揃って絶叫した後、とりあえずハボが現状を掻い摘んで話してくれた。
けど、あのデスクワーク派かと思いきや無駄に強い親馬鹿中佐の相手をファルマンが引き受けたのは無理があるだろ。
だってあの人アルバムの写真で戦える人だぞ!?※ドリームカーニバルであの人は必殺技がアルバムから写真が出る!
「ファルマン自分で負ける自信満々とか言ってたし、バズーカの音もしたしあっち助けに行かないと駄目だろ」
「けど、ロス少尉とブロッシュ軍曹が一緒なんだろ?」
「あの2人が居てもバズーカ発射されたって事は大丈夫じゃねぇだろ!」
バズーカなんて誰が撃ったんだ。あの2人だったら中佐の方が撃ちそうな気がするが、案外キレたファルマンか?
いや待てよ、案外軍曹とイチャつけない事に腹を立てたロス少尉が・・・って流石にそれはねぇよな。
「おい、ハボック一体ファルマンとヒューズは何をしてるんだ?」
ここで多分1番状況を理解出来てないだろう大佐がハボックに質問した。
そりゃあ、あんた巡って親友と部下(しかも元は親友の部下)と交戦中とは思わねぇよなあ・・・。
「稼ぐとかお前に借りを返すとか言っていたが・・・ファルマンはお前に金でも借りたのか?」
「残念ですが、違います」
「私も逆はあってもそれはないだろうと思った」
「そりゃまあ、そうですけど」
「とにかく、中尉のバズーカが暴発した可能性もあるだろう。見に行った方が良いんじゃないのか?」
「大佐が行ったらファルマンが俺を行かせた意味がなくなるでしょうが!」
分かってない大佐も可愛いんだが、今行かせると絶対にまずい。
「とりあえず、どうなってるか様子を・・・」
俺が言いかけた時、不意に軍服の袖を引っ張られた。
見れば、曹長が微妙に引き攣った笑顔を浮かべていた。
「あの〜・・・向こうの心配してる場合じゃ無いと思いますけど」
「「ん?」」


「ほほう、貴様はバズーカも置き忘れるような抜けた女だったという事だな」
「流石に花言葉が「失恋」の花を持ってくる誰かさん程は、抜けていませんが」
「・・・1度貴様とは真剣に戦う必要がありそうだな」
「奇遇ですね、私も同じ事を考えていました」


曹長の視線の先では、俺が止めたのにまた女の戦いが始まろうとしていた―――!!
「姉上、少し落ち着かれた方が・・・」
「黙れグズ!!」
「アイ・マム!!!」
アームストロング少佐を足踏んだだけで黙らせるとは・・・。
「ブレダ少尉、どうしましょう!?」
「どうしましょうって言われてもなあ・・・ハボ、ファルマン助けに行く前にこっちが巻き込まれるぞ!」
「畜生、こうなったら!」
「こうなったら?」
「大佐・・・俺と一緒に逃げて下さい!」
「ん?何故逃げるんだ?」
「お前は何駆け落ちしようとしてんだこら!!この状況で抜け駆けしてんじゃねーよ!」
「そうですよ、僕だってしたいのに!」
「仕方ねぇだろ!とにかく中佐から守らねーと・・・」


「―――残念だったな、手遅れだ」


俺達6人(あの2人も火花散らしててがすぐこっちに気付き)は声の聞こえたドアを見た。
だが、俺に見えたのは既に開けられた直後のドアがゆらゆら揺れているだけだった。
やべぇ大佐を守らないと、そう思って振り返った時には―――大佐は中佐の腕の中に居た。
「ヒューズ!?」
「お待たせ、マイリトルエンジェルプリティーロイ」
「お前、それで呼んだら口聞かんと言っただろう!」
壁を背にして、部屋の奥の方で中佐は嬉しそうに大佐を抱き締めた。
「しまった、目の前の悪質な気配に気を取られてもう1つの気配に気付けなかった・・・」
中尉が悔しそうに舌打ちをした・・・って、舌打ち!?
「・・・ホークアイ、悪質な気配とは誰の事だ?」
「だから、そっちでもめてる場合じゃないでしょうが!」
俺はとりあえず突っ込みを入れたがそのうちマジで戦いそうで怖い。
何か魔王に姫様を攫われた家来ってこんな気分なんだろうな。
「・・・ん?ヒューズどうした、随分傷だらけじゃないか」
「お前、口聞かないんじゃなかったのか?」
「こ、これは別だ!・・・大丈夫なのか?」
「お前が舐めてくれたらすぐ直るぞ」
「馬鹿な事を言うんじゃない!」
・・・だが中佐が追い付いたって事は、やっぱファルマンやられたか。
いやそれも心配だが、某女性2人の殺気が後ろから半端無いんだが!!
大佐を救出出来るかも勿論心配だが、・・・俺達はそもそも無事司令部から脱出できるんだろうか。


→大地さんのサイトに続く

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