08/01の日記

20:32
一方通行の恋愛事情16
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side:オリヴィエ・ミラ・アームストロング


マスタングの部下のメタボに言われて少し焦ったが、実はマスタングに会いたくてわざわざブリッグズ要塞から来た。
メガネには華が無いとは言ったが・・・マスタングは華だと思う。
あいつが喜んでくれたら良いと口実に買ってきたんだが、まさか花言葉がそんな不吉だったとはうかつだった。
こんな物をあいつにやるわけにはいかないし、糸目を葬った後に嫌味を込めてホークアイにでも渡すか。
そう思った時に、ドアが開いてマスタングとその他(ハボック?どうでも良い)が急に部屋に入ってきた。
「ハボック少尉、何で大佐を担いでるんですか!?羨ましい!」
「しょうがねぇだろ!中佐から救出してきたんだから!つーか本音はしまっとけ!」
ハボックがメガネと会話をしていたが、私はそんな事より(何故か担がれている)マスタングに釘付けだった。
「ハボック!いい加減に私を下ろせ!」
「いででで!」
マスタングが、ハボックのほっぺたを反対方向に引っ張った。
「おや、何か人が増えているようだが」
「事情は聞きましたぞマスタング大佐!愛による争いとは、我輩感動!」
「ドアを見た時から君が居るのは分かっていたが・・・感動する事じゃないぞ。しかし少将が来て下さっているとは存知ませんでした」
「あ、ああ。今来た所だ」
「挨拶が遅れた上、見苦しい所を見せて申し訳ない」
急に笑顔を向けられて、驚いた。
べっ、べつにこの笑顔が見れたらブリッグズから来たかいがあったとか思ってないからな!
「・・・構わん。やかましいのは私の所も同じだ」
「ところで少将、手に持っておられるのは何ですか?」
「これか?これは・・・(しまった!どうする、こんな不吉な花言葉の物をこいつに渡すわけにもいかん!)」
「ああ、それは少将が司令部に下さるそうですよ」
メガネ!!余計な事を言うんじゃない!!
しかし私が慌てているのに気付かないマスタングは、笑顔でトルケスタニカ(花言葉:失恋)を受け取った。
「そうですか、それはそれはお気遣い頂き恐縮です」
「う・・・」


「綺麗な花をありがとうございます。―――まるで貴女のようだ」


「ッ!!・・・なんだと!?」
「失礼、花より貴女の方が凛として美しいですね」
私の方が!?まさかそんな事を言われると思っていなかったから、どうしたら良いのか分からん!
「私なんかよりも、・・・お、お前の方が、」
その時、急に横から伸びてきた手がマスタングから花を奪い取った。
「―――アームストロング少将。ありがとうございます」
「・・・ホークアイ」
この女・・・明らかに敵意丸出しの目で私を見てくる。
ちっ、マスタングの後から部屋に来ていたのか。
「大佐、この花は私が花瓶に入れておきますから」
「ありがとう、中尉」
ホークアイが、花瓶を探しますと言いながら私の傍を通り過ぎようとした時、急に足を止めて私と視線を合わせた。


「これは、貴女にピッタリの花言葉ですね。私と大佐が結婚する時には、欠席に印を付けてこの花を贈って下さい」


「・・・貴様、余程我がアームストロング家に代々伝わりし名刀の錆になりたいらしいな・・・!!」
「私に勝つつもりですか?」
「その台詞、そのままお前に返してやろう!」
「ちょっと待って下さい!女の戦い始めないで下さいよ!」
私が鞘から刀を抜いた時、メタボが私とホークアイの間に割って入った。
「そうッスよ、多分あっちでバトルやってるのにこれ以上・・・やべ、ファルマン放ったらかしだ!」
ハボックが、頬を擦っていた手を止めて慌てて立ち上がった。
「ロス少尉とブロッシュ軍曹が居るから、ヤバくなったら中佐を止めてくれてると良いんだけど・・・」
「ハボ、どういう事だ?」
「あいつに、中佐の足止めを―――」
その時、ズドン!!という非常に分かり易い爆発音が聞こえた。
「むむっ、何事でしょう!?」
「・・・あの音は、私がさっき置いてきたバズーカの音ですね」
「「「えええ―――!?」」」
マスタングの部下(下っ端3人)が絶叫した。何だ、どこかで何か交戦中なのか?


→大地さんのサイトに続く(初の氷の女王視点でお送りしました)

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