06/22の日記

23:19
一方通行の恋愛事情10
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side:マース・ヒューズ


俺はグレイシアもエリシアちゃんも、目の前のロイも全部大事だ。
誰かを選べって言われてもこれだけは選べねぇ、皆愛してる。
だから、あいつらの気持ちを知っててもやっぱり譲れねぇんだよな、これが。
そんな事を考えてロイに思いの丈を込めて口付けた瞬間―――凄ぇ音がして医務室のドアがぶっ飛んだ。
シリアスムードぶち壊しじゃねえか!と心の中で叫んで、驚いて目を開けたロイを抱き締めたまま壁際まで逃げる。
しかしこのドアの吹っ飛び方はただの銃じゃない・・・まさか。


「―――大佐ッ!!(貞操は)ご無事ですかっ!?」


そこには、バズーカを肩に抱えたリザちゃんが仁王立ちしていた!!
ドリームカーニバル突入!?※リザちゃんはあのゲームの中でバズーカ撃つぞ!!
そして、中尉の後ろからロイの部下達が飛び出してきた。
「この親馬鹿中佐、俺の大事な大佐放せ!!」
ハボックが両手に2丁拳銃を構えて流れるように撃って来る。
だから、さっきも言われてたけどお前のじゃねえだろ。
「何だよ、せっかくおあいこだと思ったのになー」
「ハボック、やめろ!!ヒューズはお前等のせいで怪我を・・・」
「心配すんなって。お前とキスすりゃいっぺんに治っちまった」
「キス!?」
お、口から煙草落とした。羨ましそうな面してんなあ。
けど俺がロイを抱いてりゃリザちゃんはそんな簡単にバスーカを撃てない。
さっさと逃げようとした時、俺の前にブレダ少尉が立ちはだかった。
「大佐の唇奪うとは、良い度胸じゃないですか!!」
「ロイは渡さねぇよ、欲しけりゃ力づくで奪ってみろ!」
「俺は頭脳派なんですけどね、今度ばかりは言われなくても力づくで行きますよっ!」
「こら、ブレダ止めないか!」
「止めないで下さい大佐!!」
ロイが叫ぶがこればっかりは命令通りに止めるわけにはいかねぇらしい。
ブレダが繰り出したアッパーを避けて、後ろに下がると今度はファルマンとフュリーが拳銃を構えていた。
「そこまでです、大佐を放して下さい」
「いくら中佐が強くても、僕達5人には勝てませんよ(特に中尉に)」
「・・・ファルマン、お前俺が前の上司だって忘れてないか?」
「まさか、ちゃんと覚えてますよ。しかし惚れた人が絡めば元上官といえど本気でいきます」
「お前一期アニメ初登場の列車ジャックで、雑魚相手に一発KOされたの忘れたのか?その程度の本気じゃ勝てねーって」
「そっ、そんな昔の事を持ち出さないで下さい!それにアレは守る対象がハクロ将軍だったからです!大佐の為なら負けません!」
「お前なー、ハクロ将軍にバレたら殺されるぞ」
「ヒューズ中佐、大佐をこっちに渡して下さい。大事な所が二度と使えなくなっても良いんですか」
「リザちゃん!?」
確かに5対1はキツいな、リザちゃんも拳銃に持ち替えてこっち来るし・・・。
そもそも大事な所って具体的に何処だよ!?分かるけど分かりたくねぇ!
ロイを強く抱き締めて、俺は片手にナイフを構えた。


「―――この馬鹿者、いい加減にしろッ!!」


その時、医務室(だったけどほぼがれきの山になって廃墟)にロイの声が響いて5人も動きが止まった。
驚いて見たら、腕の中のロイが鋭い目付きであいつ等を見てる。
・・・が、その一瞬の隙にハボックが俺からロイを奪った。
てめぇ、セコいことしてんじゃねーよ!ここはロイの話を聞く所だろ!!
「こら、ハボック!お前―――」
「大佐、・・・俺とヒューズ中佐とどっちが上手いか試してみて下さい」
俺等が目の前に居るにも関わらず、ハボックは真面目な面でロイに顔を近付け・・・こら、ちょっと待てそこの犬!!


→大地さんのサイトさんに続く

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