読物

□例えばこんな愛の形
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・・・でもファルマン、お前どっちかって言うと小食じゃなかったか?つまり、さっきの吐き気は普通に喰い過ぎってことか?


「そうだとも、それもハボック!!!お前が余計なこと言ったせいで・・・」
「―――――我輩感動っ!!!!!」


その時、アームストロング少佐がドアがあった場所から凄い勢いで部屋に入ってきた。しかも何故か号泣してる。


「ファルマン准尉ッ!!」
「痛たた、痛いですって少佐!!」


しかもそのままファルマンに思いっきり抱きついてる。少佐の性格は知ってる。知ってるけど!!
俺のファルマンに抱きつくな―――!!!(中佐が抱きついてるよりは何か安心して見てられるけど)


「我輩感動ですぞ、ファルマン准尉!!惚れた男の為にそこまでするとは!!」



・・・は?惚れた男の為?・・・じゃあ何だよ、その喰い過ぎが俺の為?



「少佐、ちょっと待て!お前の抱擁はファルマン華奢だから折れる!!」
「・・・中佐、軍人で、しかも男の私に、その表現はどうかと思いますが・・・」


死にかけてるが一応突っ込んでるファルマン。お前へんなとこ細かいよなあ・・・。
中佐が頑張ってあいつから少佐を引き剥がしてる隙に、俺はブレダと曹長にナイフを抜いてもらった。


「ハボック、お前ファルマンに太れとか言ったのか?」
「そりゃ・・・まあ細いよなとは言ったことはあったかもしれねえけど・・・なあ、俺お前が気にするようなこと何か言ったか?」
「言ったっつーの!!」
「ヒューズ、ハボックはファルマンに聞いてるんだ、少し黙れぇ!!」


あ、出ました発火布。悲鳴とどーんとかいう派手な音がしたが気にしないことにする。


「大佐、食堂まで一緒に壊すのはやめていただけませんか」
「すまない、火加減はしたつもりだったんだが・・・」


中尉が相変わらず冷静に突っ込んでる。中尉も他に突っ込む所あると思うんだけどな・・・それは置いといて。



「おい、大丈夫かお前?」
「・・・急に動いたら、・・・少し気持ち悪いです」
「あーあ、具合悪いのに動くからだっつーの。それで、お前どうしたんだよ?」
「・・・・・えーと」
「何で急に食べ過ぎて、具合悪くなるほど食べるようになったんだ?」
「・・・・・それは、その・・・太ろうかと思いまして・・・」
「お前細いこと気にしてるのか?そりゃお前背の割りに軽いけど気にすることねえぞ?」


ファルマンは相変わらず赤くなって下向いたまま返事をしない。


「・・・何だよ、中佐や少佐には言えて俺には言えないのか?」
「そっ、そういうわけじゃありません!・・・ハボック少尉が・・・・・・・って、言っていたから・・・」
「お前肝心な所聞こえねえよ!ハッキリ言え!」


俺がじれったくなって怒鳴ると、ファルマンは急に顔を上げた。
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