読物

□例えばこんな愛の形
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「な・・・何ィィィィィッ!!??」




俺も思いっきり叫んだ。


「『つわり』!?つわりって何だよ!?」
「・・・【つわり】:妊娠二ヶ月から四ヶ月始めごろまで吐き気がし、食欲不振や食物の好き嫌いが激しくなる状態・・・」
「ってこんな時まで解説するな!しかも俺の「何だよ」はそういう意味じゃねえし!」
「ファルマン、お前つわりなのか!?そうなんだろ!?」
「・・・中佐・・・、ぜんぜん、ちが・・・」
「ファルマン!誰とだ!?まさかこのハボックと―――」
「ち、違いますよ!!俺はまだ―――」



―――ドンドンドン、ドンッ!!!



中佐の前髪(触覚?)と俺の銜えてた煙草が吹っ飛んだ。さらに、威嚇なのか天井にも二発・・・。


「―――ファルマン准尉はれっきとした男性ですから、産めませんからっ!!!」


・・・ナイス突っ込みをどうも中尉。何かいつだったか似たような台詞を聞いたような気がした。


「ヒューズ、いい加減に落ち着けこのどアホが!妙な妄想をするな―――――!!!」
「ファルマンが妊娠したらヤバいだろこのボケ!!大体『まだ』とか問題発言してんじゃねええええ!!!」


それと同時に中佐には大佐の右ストレートが顔面に、俺にはブレダの投げたフライパンが眉間にヒットした。
・・・ブレダ、お前どうやって厨房からそれ取ってきたんだ?最近お前の突っ込みは激しいな・・・。
つーか何も3人がかりで突っ込まなくても良くないですか?



結局ファルマンはアームストロング少佐がトイレかどっかに連れて行ったらしく、俺達が冷静になる頃に戻ってきた。
その間曹長はというと、周りの軍人にお騒がせしてスイマセンと謝っていた。
そして非難してくれと言っていた・・・的確だな曹長。中佐来ると何か壊れる確率高いし。おかげで広い食堂には俺達しかいない。


「で?どうしたんだファルマン?」


大佐に一発焼かれ煙を吐きながら中佐がファルマンに聞いた。すると、ファルマンは困ったように俯いた。
顔色は青いままだったが、あいつの顔が僅かに顔が赤く見えたのは俺の見間違いだったんだろうか。


「そうか皆が居ると言いにくいんだな?・・・アームストロング少佐!」
「はっ!!」
「ファルマンを担いで俺に付いて来い!」
「承知しました!!」
「え!?いえ、あの・・・」


ファルマンが驚きの声を上げ終える間もなく俺が止める間もなく、そのまま3人はダッシュで食堂から消えていった。
まあ、アームストロング少佐が足が速いのはいいといして・・・中佐、何でアンタそんな足速いんだ?
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