読物
□例えばこんな愛の形
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※「例えばこんな障害登場」の続編。中佐と少尉に加わって准尉が暴走していても許せる方のみどうぞ。
ドドドドド・・・
某月某日の東方司令部内にまたもや妙な音が聞こえてきたのは、例によって昼過ぎのことだった。
「あ―・・・何かついこの間もこんな音聞いたような気がするわ、俺」
溜め息をつきながら言ったのは、前回と同じくブレダだ。お前だけじゃねえよ、それ思ってんの。
ドドドドドド・・・・
「俺も聞いた・・・それに今日は少佐じゃねえことは俺にだって分かってるしなぁ・・・だって、隣に居るし」
「我輩がどうかしましたかな?」
「いや、こっちの話ですから気にせんで下さい」
やっぱり嫌―――な予感がしてきた俺。前の3割増しで嫌な予感がする。いや、訂正する―――これは「確信」だ。
前回でアレだから、二度目のこの展開は殺されるんじゃないだろうか。
ドドドドドドドド・・・・・
「・・・ハボック、逃げるか覚悟を決めるか神に祈るかした方がいいと思うぞ」
「今から逃げても恐らく間に合わないでしょうね」
やっぱり大佐の言葉に中尉が冷静に切り返す・・・ついこの間見たぞこの光景。ああ、これ確かデジャヴって言うんだっけ?
いや、見てるんだからデジャヴって言わねえか。
ドドドドドドドドド・・・・・・
「とりあえずドアの傍から離れた方が良さそうですね?」
後ずさりをしながらフュリーが言う。ああ、前回と違う所って少佐が居るってこととここが食堂ってことか・・・スイマセン、食堂のドア。
心の中で俺達以外誰も居なくなった食堂で謝っておいた。
ドドドドドドドドド・・・・・・・バンッ!!!!!・・・ガッシャーンッ!!!
部屋に居た全員が「ああ、来たな」と思った時だった。
ドアが勢い良く開いた―――と言うより、前回同様やっぱり蹴破られて吹っ飛んだ。
しかも今回はそれだけで終わらず吹っ飛んだドアの飛距離が伸び、一直線に窓まですっ飛び、窓に当たって硝子が粉々になった。
・・・中佐、パワーアップしてねぇ?
「―――ジャン・ハボッ―――ッック!!!」
そしてそのドアのあった場所には予想どおり、地獄の閻魔様でさえ裸足で全速力で逃げ出しそうな表情の、ヒューズ中佐が立っていた。
やっぱりね。・・・ああ、逃げたい。物凄く逃げたい。
「「「「「「・・・ヒューズ(中佐)・・・」」」」」」
ああ、やっぱり俺ご指名なんスね・・・。今回は何したっけ俺・・・?