姫
□32.水姫〜藍〜
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「んぎゃーーー!!!」
「!!??」
自分が逃したであろう幸せについて真剣に考えていると、突然、只ならない叫び声が辺りに響きわたった。
叫び声の主の居場所は、声の感じからして そう遠くはないだろう。
何事かと辺りに視線を巡らせば、数メートル離れた所で黒い何かがぴくぴくしているのが目に入る。
「あれは…」
目を凝らし、黒いぴくぴくを見つめる。
そんな私の頭の中には、ある考えが浮かび上がってきた。
「もしかして…」
恐る恐る近付いてみる。
普段なら面倒事は避けて通るところなのだが、自分の考えが当たっていそうで、つい確認したくなってしまう。
「やっぱり…」
黒いぴくぴくの傍まで行き腰を屈めて覗き込んでみれば、思った通り…。
自分の考えが正しかった事が確認出来た。
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