姫
□32.水姫〜藍〜
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日の射す中、荷物を持って よたよたと歩く。
何か…
気がついた事がある…。
天気の良い今日、日傘ならともかく、雨傘を持って歩くのはどうだろう…?
道行く人が時々、「今日、雨降るの?」みたいな視線を向けてくるんだけども…。
最初は気にしていなかったけれど、やっぱり微妙に恥ずかしい…。
それに、立場上あまり注目されるのも如何なものか…。
こんな事なら、さっさと家に帰ってしまえば良かった。
今日は、やる事なす事全てが空回りしている気がする…。
「はぁ…」
また溜め息…。
今日 何度目だろう?
溜め息をつくと幸せが逃げると言うけれど…
私は今日だけで どれだけの幸せを逃してしまったのだろう…。
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