姫
□32.水姫〜藍〜
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「どうしよう…」
万事屋さんに到着し、チャイムを鳴らすも、生憎 留守のよう…。
居ないのなら仕方がない…けれど…。
「どうしよう…」
沖田君から借りた傘…。
そもそも、私が閃いた名案は銀さんが居なければ成り立たないもので…。
銀さんから返して貰おうと甘い事を考えて来たら、この様。
他力本願では駄目だという事か…。
仕方ない。
傘もお菓子も、持ち帰ろう。
肩をガクッと落とし、万事屋さんからの階段を下る。
あ〜ぁ…。
完璧にする事がなくなっちゃった…。
空を仰げば、憎らしいほどの青空。
「はぁ…」
どうせ暇だし、少し歩いてから帰ろう…。
もしかしたら銀さんに会えるかもしれないし!
そんな淡い期待を胸に、両手に荷物を持って、ゆっくりと歩き始めた。
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