DEATH NOTE
□彼は彼女を愛していない
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「ま、松…」
「僕も一応、男だから」
僕は窓を開け、思いっきりスピードを出した
ミサミサにキスしたのと自分が言ったキザな言葉で顔が熱くなってたから
冷たい風に当たって早く冷えてほしいな、と思った
「…刑事が容疑者に恋しちゃ駄目なのかな…」
「え?」
「…僕がミサミサを好きになっちゃ駄目なのかな」
「駄目…だよ
だって…海砂には月がいるから…」
唇を噛む
言えないよ…ミサミサには
月くんがミサミサの事、好きじゃないかも知れないって
それは僕の勘違いかも知れない、だけど…月くんのミサミサに対する態度を見たらそうとしか考えられない…
「スタジオに着いたよ」
じゃあ、と彼女を降ろした
「仕事が終わったら電話…するね」
「うん、頑張ってね」
彼女が見えなくなったのを確認して車を動かした
…僕は海砂のマネージャーとしての仕事と竜崎の甘い物係でしかない
そんな僕は刑事と言えるのだろうか…