conclusion
□はーとびーと
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「おーいそこの二人! 何やってるんだ?」
「いえ別に!」
アルコールが入って顔の赤くなっているマスターに呼ばれて幸彦くんが慌てて輪に戻った。やっぱおかしい。
変に思いながらも皆のもとへ。ふと神田さんを見ると、どこか不安そうな困っているような表情で幸彦くんを見ていた。
なんだろう。幸彦くんと何かあったのだろうか。ちょっと心配だ。
***
明香音がここでバイトしててよかった。
今素直にそう思う。
だって! 憧れのオレサンとも知り合いになれたし!
まぁ友達を餌にしたような発言だけどさ。
明香音も明香音で楽しそうだし。
まさか幸彦も一緒とは意外だったけど。
……てことはあれか。時々一緒に帰ってたのはそのため?
なぁんだ。じゃあやっぱり二人は付き合ってなかったの。
でも今、こうして輪の中で辺りを見回してみると、色んな視線が行き交っているのが見える。
あれ?
あれれ?
あれまぁ。そういうことか。
なるほどねー。