conclusion


□はーとびーと
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 何も音楽が嫌いとか、遠慮をしているとかではない。

 音楽は好きな方だし、遠慮をするほどナッツと距離があるわけでもない。

 ただ、なんの興味も持っていない人と一緒に行っても、ナッツは楽しくないんじゃないかと思ってしまうのだ。


「そもそもなんで私なの? 他のライブ好きな友達誘いなよ」

「……」


 するとナッツは俯いてしまった。何か悪いこと言ったのだろうか。


「……それができたら明香音なんて誘わないよ……」

「へ?」


 ぽつりと零した言葉がよく聞こえなくて耳を寄せたら、ナッツは急に立ち上がって叫び出した。


「……アイツら〜! 寄ってたかってバイトだのデートだのって断りやがって! あーどうせ私なんかね!!」


 急に自暴自棄になるナッツ。

 その豹変ぶりについていけない私。

 ……そういえば最近、バイト先潰れたり彼氏にフラれたりしたんだっけ……。

 それでは荒れるのも無理ない。


「とにかく、明香音には何が何でもついて来てもらいますから!」


 ビシッという効果音が聞こえてきそうなほど勢いよく指を差される。

 こうなってしまっては誰にも止められないと悟った私は、軽くため息をついて諦めた。
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