conclusion
□片恋
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出会いなんていつあるか分からない。
そう思っていたって、結局は唐突に訪れるわけだから、
心の準備も何もあったもんじゃない。
だから私は、まったくの不意打ちで、貴方に恋に落ちた。
あの、春の日。
中島美乃、高校二年。
得意な教科は理科と家庭科、苦手というか嫌いな教科は国語と英語。
体育は、得意じゃないけどまあまあ好き。
部活はバレー部のマネージャー。
家から学校までは自転車で片道二十分程度。
仲のいい友達は少ないけど、とりあえず誰とでも話せる。
あ、あと幼なじみが一人。
なんでも仕切っちゃうような奴。
でも時々すごいボケもかますから、私がその突っ込み役を担当している。
中島美乃。
とりあえずは、普通の女子高生。
その人がやってきたのは、とにかくとても急だった。
高校二年の六月。
新しいクラスにも慣れて、授業もそれなりに難しくなってきたある日のこと。
いつもと変わらないはずだった日々に、新しい風が吹いた。