conclusion
□lemon tea
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『マドンナはどこかのお嬢らしい』
『マドンナは毎日、中庭で昼食を食べるらしい』
『マドンナは帰国子女で英語がペラペラらしい』
どこから仕入れてきたのか、タケは得意げに僕に話した。
噂を聞いてから一週間が経ち、平々凡々と暮らしていた僕の耳にも色んな噂が入ってきていた。
『早坂先輩がマドンナに告白してフラれたらしい』
とか、
『五組の後藤がマドンナに告白したけど見事玉砕』
とか。
他にもいくつかあったけど、内容はほぼ同じ。
この二つを覚えてたのは、早坂先輩って誰だよとか、見事玉砕って何だよとか内心で突っ込みを入れたていたから。
大体こういう噂がどこから漏れるのか、そっちの方が気になる。
盗み見でもしている人がいるのか。だとしたらかなり悪趣味だな。
僕は冷ややかに心の中で呟いた。
しかし、そんな僕の胸中も知らずに、タケがある提案をしてきた。
『昼休みに屋上からマドンナを見てみよう』
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