conclusion
□四季折々
28ページ/30ページ
決して晴天とは言えない空の下、赤い鼻で白い息を吐きながらやってきた神社は、元旦という忙しい時期を終えてすっかり寂れていた。
……ま、こんなもんだよな。
「人いないねー。貸し切り?」
なんて冗談を言いながらはしゃぎまわる彼女の後ろを、ポケットに手を突っ込みながらついていく。
はっきり言って、すごく寒い。
せっかく家でまったり過ごしてたのに。今日も一日寝て過ごすはずだったのに。
あーあ。
「……なんか元気ないね」
ゆっくり歩く僕を振り返って、伺う君。
その顔も元気がなくなるような気がして、僕は笑顔で首を横に振った。
「そんなことないよ」
「そう?」
今度は縦に振る。
ただ……
「なんで今日なの? 初詣なら昨日の方が盛り上がったと思うし。それに」
なんで急に連絡くれた(というか押しかけて来た)んだろう?
「年賀状もくれなかったのに……」
そう言うと君は目を丸くした。大きな目が更に際立つ。
それから一歩僕に近づいて一言。
「もしかして……拗ねてる?」
.