conclusion


□四季折々
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 冬-winter-




「あ、雪」


 寒さと退屈凌ぎにコンビニに行って、チューハイと適当なつまみを買って外に出ると、目の前を白いものがちらついた。

 その出所を探るように天をあおぐと、真っ黒な空から限りもなく舞い降りてくる様子が見える。

 危ないと頭では分かっていても、顔は上を向けたまま、停めてあった自転車まで歩く。

 袋をカゴに入れ、ハンドルを押してスタンドを外すと、大して放置していたわけでもないのに、予想外の冷たさが指先を襲った。セーターの袖口を手袋代わりにハンドルを握る。

 歩道までゆっくり自転車を押して、もう一度空を見上げた。だんだんと大粒になってくるようだ。

 積もるかな……?

 少し期待するように見上げていると自分の吐いた息が白くなったのが見えた。

 ハンドル同様冷たくなったサドルに跨がると、ゆっくりとペダルを漕ぎ出した。


『雪を見ると寂しくならない?』


 いつかそう言っていた君を思い出した。

 マフラーの上から覗かせた赤い鼻をすすりながら、僕に向かって。

 どうしてって尋ねたら、灰色の空を見上げながら言った。
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