conclusion


□四季折々
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「何? 優しくしてほしいわけ?」

「別に……」

「残念でしたー。私は小さい子には優しいの! 監視員のバイト始めたのだってそれが理由なんだから」


 僕の否定の言葉なんてお構いなしに彼女はいつものように話し始める。

 ただ、その話は初耳だったので少し興味があった。


「そうなんだ。やっぱ意外」

「ふんだ。まぁ誰かさんは水着のお姉さん方が目的のようだけど」

「は?」


 間抜けな声を出した僕を、彼女は半眼でちらりと見遣る。

 もしかして“誰かさん”って僕?


「違うし! 俺は別に……」

「あー慌ててるー。やっぱりそうなんじゃん」

「違うって!」


 弁解しようとする僕を余所に、彼女は楽しそうに笑いながらブランコを漕ぎ出す。

 一向に話を聞いてくれず、半ば諦めかけた僕に、彼女はまた口を開いた。


「いいんじゃない、別に。下心くらいあったって」

「だからそんなんないって……」

「私もあるもん、下心」


 そう言ってブランコを急停止させた彼女は、横に座る僕をじっと見つめた。

 何も言い返すことが出来なくて、彼女も何も言わなくて、自然と僕らの間には沈黙が生まれた。
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