conclusion


□はーとびーと
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 *4* 君に伝えたい事




 あれからまたしばらく経った。

 私の言葉が効いたのか、それとも神田さん自身が吹っ切ったのか、神田さんはまたギターを弾くようになった。

 私は嬉しかったけど、スタジオで練習しているのを直接聴きに行くことはできなかった。

 多分、まだ不安定なんだと思う。

 スタジオの扉のところでこっそり聞いていると、ギターのミスで度々演奏が止まる。

 その度に吉岡さんや野田さんが神田さんを気遣うけど、神田さんは大丈夫と答えてもう一度最初から演奏を始める。

 正直、痛々しいと思うこともある。

 以前の神田さんなら、きっと難なくこなしてしまうコードチェンジも、心のどこかに躓くようにスムーズに行かない。

 それでもやろうとして、なおさら心の傷を周囲に見せている気がする。

 でも、神田さんが頑張っているのを見ていると、つい頑張れって応援したくなる。

 それが神田さんにとって辛いことでも。


「おはよ。また練習してんの?」


 扉の前に座り込んでいると、幸彦くんがやって来た。


「おはよ。……うん」


 中を気にしながら答えると、幸彦くんも同じようにしゃがみ込んだ。
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