conclusion
□To You
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斉藤美月。
恋をした、18才、
夏。
To You
最初は全然興味なくて、お互いの名前を知ったのも、きっと二回目の席替えで隣の席になってから。
だからその人が普段どんな話をしてるとか、どんな友達がいるとか全く知らなかったし、知っても、やっぱり最初の頃は話もしなかった。
……今でもそんなことは滅多にないけど。
彼のことを意識しだしたのは、ある日の体育の授業。
女子は体育館でバレー。休憩時間に校庭を見ていた他の女子に紛れて、ぼんやりと外を眺めていた。
(男子はサッカーか……暑そう)
ふいに周りの女子が黄色い悲鳴を上げて、意識をはっきりとさせる。
どうやら誰かがシュートを決めたらしい。
「やっぱり島木くんかっこいいね〜」
「運動神経いいしね!」
女子の会話を斜め聞きしながら、興味ないけどなんとなく試合の様子を見る。